マブラヴNA夢小説
※モバマブ/俺大尉×VGほぼ捏造夢小説※
◎現在(2015/9/18~9/27)のモバマブイベをベースとした俺大尉(男)×VGの夢小説みたいなブツです。(名前変換等はないです、全て大尉呼び)
◎イベの話をベースにはしてますがほぼ捏造設定と言っても過言ではないので苦手な方は戻って、どうぞ
【前提として今回のイベントはこんな感じのお話】
・新型のヤバいBETAのシミュレーションデータ送るから主人公の中隊+ユーコン連中+米軍でシミュレータ攻略してね
・でもシミュレータの画像が間に合わなかったから見た目はいつものBETAと変わらないよ
・SRVGを4枚(MM進化)ゲットするには戦車級、要撃級、突撃級、重光線級をそれぞれ50体倒してね
・光線級吶喊って単語だけ知ってた時に書いたので普通に光線級吶喊になってないけどまあそれはそれで……
・上記以外は全部捏造です。前置きが長くて申し訳ないですが宜しければお付き合い下さい
「アルゴス3、援護に入るぞ!」
「大尉、助かります!」
俺は援護をしようとVGのACTVの前に割って入り、要撃級攻略のセオリーに則り、側面から一気に長刀を突き付けようとした――
「何だ、何なンだ!? う、うわああああ!!??」
「どうした!? アルゴス3!! 応答せよ!! アルゴス3!!!!」
運悪く俺が長刀を振り下ろす前にVGのACTVに要撃級の腕が襲いかかっていた。が、そんなことを悠長に見ていられる訳がなく、それに気付けたのはその隙を突いて長刀を要撃級の脇腹に斬りつけたあとであった。それもあり俺だけ運良く助かった。だが。
「おいアルゴス3!! クッソ!! 一瞬で機体ごと消えるとか何があったんだ!? データリンクどころかバイタルさえ死んでるとかどうしたんだよ! VG !!返事してくれ!!?? ヴァレリオーーーー!!!!!!」
まさか、俺が経験して来たような時間遷移がシミュレータで起こったというわけではないだろうか? 俺は補給がてら一時補給所に撤退し、新型BETAのデータを今一度確認し直した。
「――普通のBETAみたいななりではあるが、どういう挙動をするのかわかったもんじゃねえ…… な!? なんだこれは!?」
新型BETAの概要データを見てふざけてるのか、と俺は目を疑うことしか出来なかった。
「――その新型BETAに倒された者は、身体を四つに引き裂かれ、時空の何処かに飛ばされる。この際、一時的にではあるが、シミュレータ内で時間遷移が行われる――尚、時間遷移の原因は正確に確認されてはいないが、各種BETAの討伐数によってこちらに引き戻せる可能性は高い……」
俺は一縷の望みをこの一文に託すことにした。
「中隊各機、出来る限りのBETA討伐に尽力を注げ!他部隊に後れを取るな!!!!」
「「「了解!!!!」」」
これらの新種BETAのデータは他の僚機にも回っているが、この討伐の目的の一部にVG奪還が加わったことは敢えて伝えなかった。これは俺がVGに犯してしまった過失であり、他の連中に押し付ける訳にはいかない。俺は補給所を後にした。
***
――あれから、もうどれだけの時間が経ったのだろうか。
小型種の討伐、大体五十体を片付けたくらいのころ、一人目のVGが戻って来た。俺よりも背の高い筈のVGであったが、救出したときは俺よりもひと周りくらい小さく、少年兵のような出で立ちであった。俺はVGを保護し、本調子ではなさそうなVGを自機の補助座席に座らせたまま討伐を続けた。それからさらに三時間後くらいに、二人目、三人目のVGが戻って来たのだが、奴らは一人目に吸収されるように合体していった。一体どんな構造になっているのだろうか。
流石に三人目が合体して来ると、表情に幼さは多少残るものの、見慣れた顔立ちに戻ってきた。
光線級、重光線級の光線級吶喊(レーザー・ヤークト)に取り掛かろうという時、VGが口を開いた。
こう言うとずっとVGが黙り込んでいたとも捉えられないので補足しておくが、道中で拾ったVGは見た目こそ少年兵であるが、中身は現在のVGとそこまで大差なく、一人目が補助座席に搭乗した時点から人の戦術を分析もとい実況していたことをここに追記させて頂く。
「よお大尉、俺も作戦に参加させてくれよ」
「駄目だ。VG、お前はまだ本調子じゃない。そんな身体で戦場には投げ出せない、欧州戦線をくぐり抜けてきたお前ならそれは分かっているだろ?」
VGは暫し考え込んで、再び口を開いた。
「――そうだな。悪かったよ。だったら俺の半身、あと1匹何処にあるかわかンねーけど、お前さンに託すよ」
VGは操縦桿を握る俺の手の上から自身の手を被せるように握った。
「大丈夫。アンタなら俺を取り戻してくれるって信じてっから」
「VG……」
俺は回線をオープンにをした。
「総員、これから光線級吶喊にかかる! 丸こげのフライドチキンになりたくなかったら高度を下げて水平噴射跳躍(ホライゾナル・ブースト)しろ!!!!」
「「「了解!!!!」」」
俺たちは水平噴射跳躍で光線級の群れに突っ込む。奴らにはレーザー照射のインターバルがあるから、その隙に36mmをぶっ放す。
「インターバル来たぞ! 総員、光線級を優先してかかれ!!」
光線級が12秒、重光線級が36秒。だがこの光線種は見た目は見慣れているが中身が見た目に伴っていない可能性がある。光線級のインターバル12秒があてにならないかもしれない。手際良く叩かないと俺たちが死ぬ。操縦桿を握る手にも自然と力が入る。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
***
「大尉、終わったのか……?」
「ここの区域の光線級吶喊はな。だが、緊迫した状況であることには変わらない。まだまだBETAは潜んでる……シミュレータもこれで終わったわけじゃないし……ってVG!! あれ見ろ!」
重光線級の死骸の中に、その血に塗れた国連軍の強化装備を纏った少年がそこにはいた。 間違いない、四散したVGの最後の一人だ。
「待ってろVG! 俺が助けてやるからな!!」
俺は跳躍(ジャンプ)ユニットを一気に吹かして駆け寄った。最後の一人を管制ユニットに引き寄せるとベースのVGに吸い込まれて行くようにVGの中に入っていった。先刻よりも顔つきが多少大人びてきた、というよりいつものVGであった。
「おいVG!!元に戻ったぞ!!」
「マジかよ!? 嘘じゃねーよな!?」
「嘘じゃない!! いつものVGだ!! 多分さっきの光線級吶喊でBETAの目標討伐数に追い付いたんだろう」
薄暗い管制ユニットの中で俺はVGと更に至近距離になって顔を見合わせた。ああ、いつものヴァレリオ・ジアコーザ少尉だ。
「ありがとう、撃墜王(グラッツィーエ、アッソ)。アンタは命の恩人だ」
「と言ってもこれも一応シミュレータ内の仮想的な時間遷移だけどな。 だけどVGがいなかったらここまで討伐出来なかっただろう、この討伐数の一部はVGのACTVにカウントさせてくれ」
「よせやい、衛士は他人の討伐数じゃなくて自分の討伐数で語るモンだろ、戻ったらおたくにすぐ追い付いてやるさ」
「……すまん、そうだよな。そうこなくっちゃな」
俺たちは再び補給所まで引き返す。そこにはVG共々四散したはずのF-15 ACTVが鎮座していた。
「――まるで俺が帰って来るのを待ち構えてたみてェだな」
俺は自機をVGの管制ユニット付近まで近づけて搭乗を手伝う。
VGが搭乗したのを確認してデータリンクを共有させる。機体も無事らしい。
「なァ大尉」
「どうした」
「俺の事をVGじゃなくって、名で呼ぼうとする奴らって、大抵俺の事好きだったりするンですけど、大尉殿の真意を訊かせて戴きたい」
回線がオープンにでもなっているのか、急な敬語に俺の方が硬直しそうだ。
「聞いていたのか……や、これに関しては演習が終わってからにしよう。告白は出撃が終わった後のが良いって言ったのはお前だろう、VG」
「あっ……やっぱそういう意味でしたか」
「…………もう! 後でいいだろ!! 今度はヘマすんじゃねえぞ!」
「はいはい、こっからガンガン大尉よりもスコア稼いで見せますぜェ?」
網膜投影に映るVGの悪戯そうな眼に俺は安心感を覚えた。
「じゃあ大尉殿、ご武運を」
VGは跳躍ユニットを吹かしてBETAの群れに突っ込んで行った。演習はまだ始まったばかりだ。VGに対する弁解はもう少し後になるだろう。俺もVGに続くようにこの場を後にした。
【了】
2015/10 UP